自分たちの居場所は、
自分たちで作ることにした。

「 ひ き こ も り 」「 不 登 校 」「 L G B T

そ ん な ふ う に 呼 ば れ ま す が 、

私 た ち 一 人 ひ と り の こ と じ ゃ な い 。

分 か り あ え る 人 と 一 緒 に い た く て 、

自 分 た ち で 場 所 を 作 る こ と に し た 。

た だ シ ン プ ル に 、「 ま ち の ほ け ん し つ 」 は 、 そ ん な こ と で す 。

Chapter 1 始まり

ゆっくりすすむ

不 登 校 ・ ひ き こ も り 支 援 を 行 う 「 ア リ ス の 広 場 」
L G B T Q の 支 援 団 体 「 ハ レ ル ワ 」
そ の 2 つ の 思 い が 重 な っ て 、
自 分 た ち の 手 で 居 場 所 を 作 る こ と に し た 。

こ こ に は 、 両 団 体 を 応 援 す る 人 が い る 。 
面 白 が っ て く る 人 も い る 。
だ か ら 、 来 て い る 人 は い ろ ん な 人 た ち で す 。

み ん な 、「 こ ん な 場 所 が あ っ た ら い い な 」
そ う 思 っ て 2 0 1 9 年 6 月 に ス タ ー ト し ま し た 。

Chapter 2 改修までの道

2019年6月「まちのほけんしつ(仮称)」
プロジェクト始まる

2019 年からスタートした改修作業

どうしたらいいか一緒に考えて、 お金がないから、

なるべく自分たちの手でつくる。

2 0 1 9 年 6 月
閉じたシャッターが並ぶオリオン通りの物件を契約 。
中を開けると、散乱するモノ!
埃やヤニや油汚れ 、ゴキブリ!
それらにメゲズ 、
みんなで少しずつ掃除を進める 。

業者さんにお願いする資金もない。

半ば勢いで始まった「まちのほけんしつ(仮称)」プロジェクト、

先の不安がなかったと言ったら嘘になる。

しかし、そんな不安より、

「まちほけが完成したら、『絶対』に面白いよね」という期待感が不安を大きく上回る。

普段なら『絶対』なんて言葉は使わない。

でも、この時ばかりは根拠もなしに全員思ってた。(たぶん)

ピンチはチャンス。

大きな想いがあると、ネガティブがポジティブに反転することがわかった。

ある意味、成長したのかな。

そして、みんでガヤガヤと作業、大変だけどスゲー楽しかったりする。


お金がないなら「自分たちで作る」

だって自分たちの居場所なんだもん。

できることは自分たちの手で

「Do It Our Selves!」

※電気工事等の資格が必要な工事はメンバーの知り合いの専門業者の方にお願いしました。
たぶん赤字の価格です。お世話になった皆様、その節は無理を言ってすみませんでした。
ありがとうございました。

Chapter 3 ワークショップ①

◆みんなで一緒にシャッターに絵を描く

シャッターをみんなで描くワークショップ

思いのほかいっぱい来てくれた。

みんな楽しそうだった。

うん、楽しかった。

Chapter 4 ワークショップ②

まちのほけんしつ

「まちのなかにほけんしつみたいな場所があったらいいな」

の発想がスタート、はじめは仮称だった。

◆まちのほけんしつ(仮称)正式名称を考える。


みんなの居場所の名前を決めるワークショップ。

いろんな意見が出た。

みんな本気で考えた。

そして決まったのが「まちのほけんしつ」

(仮称)が正式名称になった。

Chapter 5 資金集め-クラウドファンディングの挑戦

2020年、クラウドファンディングをスタート !

クラウドファンディングは、READYFOR様を使用させていただきました。
https://readyfor.jp/projects/matihoke


改修資金はクラウドファンディングで広く皆様にご支援とご協力をお願いしました。

たくさんの賛同者がいてくださることに、逆にびっくりしました。

皆様の想いに支えられて私たちの活動ができているんだなと改めて実感!

みんな、本当にありがとう。

(ご賛同をいただいた皆様には、「スペシャルサンクスページ」に掲載と改めてお礼をさせていただいております。)


しかし 、今度は新型コロナで思うように進めない。

それでも私たちは、自分のペースで進む。

ゆっくり、そして、確実に

Chapter 6 開設までの道

2020年3月以降も、改修作業は続きます。

私たちの想いを、

受けとめてくれる人がいた。

応援してくれる人がいた。

そう、あとは進むだけ。

すべての人に感謝しながら

この瞬間を楽しみながら

新型コロナなど自分たちではどうにもできない紆余曲折

大幅なスケジュール変更

でも、想い続けて、

ゆっくりだけど、行動し続けて

2021年7月、群馬県前橋市千代田町オリオン通り

自分たちの居場所が、みんなの想いが、

カタチになった。

まちほけの開設は一つのゴールでした。

しかし、ここからがスタートです。私たちのスタートラインです。

たくさんの想いが詰まったこの場所で、

たくさんの想いを受けとめ、

たくさんの想いを発信していく

「まちのほけんしつ」

気負わなくていい、飾らなくていい、ありのままの自分でいられる場所。

それが、「まちほけ」です。

ぜひ一度お越しくださいませ。

まちほけの運営は、不登校・引きこもり支援の「アリスの広場」と、LGBTQの支援団体「ハレルワ」ですが、それに限らず生きづらさを感じているすべての方々の心のオアシスでありたい。そんな場所に育てていければと思います。

まちほけプロジェクトはまだ始まったばかりです…
to be continued.

まちほけの人 – 想い

まちほけの人

LGBTQ支援団体 ハレルワ
代表 間々田 久渚

自分たちの手で創る居場所。
たくさんの応援に心から感謝したい。

「居場所」という言葉を辞書で調べてみた。「心を休めたり、活躍したりできる環境」だそうだ。

私にとっては、「ハレルワ」がまさにその居場所であると 思う。ハレルワでは月に1回、LGBTの当事者や理解者の交流会を2015年から続けてきた。

中高生から70代以上と幅広い年 齢層と様々なセクシュアリティの人が参加し、悩みの共有や雑談、時には料理をすることもある。

家族・学校・職場など身近な人に自身のセクシュアリティをカミングアウトできていない参加者も多いため、ありのままの自分で過ごせる空間は当事者にとって貴重な居場所である。

交流会の開催時間を延ばしたり、中高生が公共交通でアクセスしやすい施設で開催したりと、徐々に改善をしてきたが、いつでも交流でき、辛くなった時に駆け込めるような常設のスペースが必要であると考え、物件探しを始めたのが2018年の後半。初めは駅に近いビルなどを候補に当たったが、前橋の商店街で物件探しをすることにした。「まちなか」と呼ばれる商店街地域には、学生時代にアーツ前橋開館前の学生サポーターとして通っていたので馴染みがあったし、楽しみながら前橋を盛り上げていこうとする人たちの活動を見てきている。

ここに加われたらきっと面白い。そんな確信を持った。

商店街で居場所づくりをする計画を東京でプレゼンする機会があり、「安心して話ができる学校の保健室のような場所を作りたい」として「まちのほけんしつプロジェクト」と題した。その後も色んな人に計画や物件探しの話をすると、「不登校・引きこもりの若者を支援する『アリスの広場』というNPOもまちなかに移転を考えているから一緒にやってみてはどうか? 」と引き合わせていただいたのが昨年の3月。6月にはオリオン通りの空き店舗を契約した。

両団体は異なる社会課題を扱うが、どちらの団体にもLGBTと不登校・ひきこもり、両方の当事者も居た。1つのカテゴリーで分かれることのない多様性のある場所が創れると思った。数十年の埃が積もった物件を片付け、解体し、殆ど自分たちでの手で改装している。どんな空間にするか話し合い、互いに
納得のいく形にするのは長い時間と資金が必要だった。

今年1月初旬からスタートしたクラウドファンディングは、120万円の目標額を大きく超え、約200万円の支援が県内外から集まった。たくさんの応援に心から感謝したい。

あとは完成までもうひと踏ん張り。みんな木屑だらけ埃だらけになりながら、初めてのことに戸惑いながらも、新しい居場所ができることを心待ちにして日々作業に励んでいる。当事者たちだけでなく、色んな人にとって、この「まちのほけんしつ」が居場所になってくれることを目指して。

(2020 年 4 月 17 日掲載 上毛新聞オピニオン 21 より)

まちほけの人

ひきこもり・不登校支援 アリスの広場
代表 佐藤 真人

僕自身、6年間の不登校・ひきこもり。
多くのご縁が繋がって、今の場所が生まれた。

はじめまして、若者の居場所「アリスの広場」を運営している理事長の佐藤真人と申します。

アリスの広場は不登校やひきこもりなどの若者が、好きな時に来て自由に過ごせる、家でも学校でも会社でもない、第三の居場所です。

アリスの広場は不登校やひきこもりなどの若者が、好きな時に来て自由に過ごせる、家でも学校でも会社でもない、第三の居場所です。

2014年から常設で開き今年で7年目に入りました。

ここの目的はまず外に出ることに慣れること、そして、私やスタッフ、アリスの広場に来ている他の若者、そのご家族など、さまざまな人と出会い、話したりする中で視野を広げ、次へのステップの場になればと思っています。

アリスの広場を始めたのは私自身、6 年間、不登校・ひきこもりだったからです。更に20代の終わりにも再び挫折、そのいずれら中学校への変化に対応できず、不安と緊張からトイレが極端に近くなった事でした。

トイレの心配で外に出られなかったので、初め行って帰るという練習から始めました 。そして15歳の頃から埼玉県の「バクの会」、群馬県の「パスの会」という2つのフリースペースに通い始めました。

色々葛藤もありましたが17歳の時に大検(現高卒認定試験)の予備校に通い始め、3回試験を受けて大検を取得、20歳で大学入学、そのまま大学院へ進学し26歳で社会人となりました。

しかし、わずか半年で挫折、20代の終わりに再びパスの会のお世話になり、そこで様々な就労体験を通して自信を取り戻し、地域若者サポートステーションの支援も受けて再就職できました。

新たな拠点「まちのほけんしつ」は隣の「不思議なお店」と切っても切れない関係にあります。このお店はパスの会が支援していたお店で、元々は若者がお仕事体験もできるたまり場でした。

私自身、10年前に当時は若者としてお世話になっていた思い出の場所です。

新たな拠点と不思議なお店の大家さんは同じ飯島さんという方で、以前からパスの会の代表を応援していました。
そうした繋がりで、パスの会の卒業生が関わっている団体なら、という事で家賃をとても抑えて下さり設備の改修費を負担してくれたりと不思議なお店の皆とアリスの若者との交流も始まっています。

ここが若者が安心して居られる場、そして、さまざまな人と出会いながら、次のステップへ巣立つための場になればと思います。

(2021年7月)